2016年 09月 19日
韓国女流画家 천경자 チョン・キョンジャ 千鶴子
韓国ソウル市立美術館にて常設の展示があります。
韓国で一番有名な女流画家、천경자 チョン・キョンジャ、漢字で「千鶴子」と表記する画家です。
遺作の多くをソウル市立美術館へ寄贈した為、常設展示として無料で観覧できます。
最初にチョン・キョンジャ氏の作品を見た時、メキシコの画家フリーダ・カーロを思い出しました。
交通事故で負った怪我で長く身体的苦痛を負い、配偶者の不誠実から精神的苦痛を負ったフリーダ・カーロの作品から感じるのは「痛み」そのものです。
精神的苦痛が身体的に表され、精神と肉体の境界線が無くなっている表現は女性画家に多いのでは、と思います。
フリーダ・カーロ
正面を向いた自画像にどこか怖さと痛みを感じるのは両画家の共通点です。
チョン・キョンジャ氏の作品の多くは女性を描いたもので
女性の身体的美しさを描くと同時に
女性の苦痛や痛み、怖さを同時に感じる事ができます。
チョン・キョンジャ氏は1972年に韓国軍用画家としてベトナム戦争へ行くのを皮切りに
アジア、中東、南米、北米、ヨーロッパと世界各地を回り、多くの絵を残しています。
当時に限らず現在でも従軍画家として女性がひとりで軍隊と共に世界各地を回るのはどれほどの事だったか。
そしてチョン・キョンジャ氏の描く世界各地の様子は
やはり、女性美が目を惹きつつも
どこか内に痛みと恐怖を感じます。
女性画家や作家は自分の痛みを公共化するタイプが多い。
私はこのタイプに惹かれる。
個人的な痛みを公共化し
身体と精神の境がなくなる感覚は
きっと女性特有の感覚なのだと思います。
イ・スクジャのブログ
http://cuindream.exblog.jp/22852559/
by c-u-in-dreem
| 2016-09-19 14:40
| 美術館